不動産売却でかかる費用一覧
不動産を売るときは、売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。
仲介手数料、税金、登記費用、住宅ローン関連費用など、いくつかの費用を差し引いて考える必要があります。
この記事では、不動産売却でかかる主な費用を一覧で整理し、初心者の方にもわかりやすく解説します。

売却価格だけ見ていると危険!手取り額で考えるのが大切です
不動産売却では、「いくらで売れるか」と同じくらい「いくら手元に残るか」が大切です。
たとえば3,000万円で売れても、仲介手数料や税金、ローン返済などを差し引くと、手取り額は変わります。
売却価格と手取り額は別物だと考えておくと、資金計画で迷いにくくなります。
不動産売却でかかる費用は大きく5種類に分けられます
不動産売却にかかる費用は、主に仲介手数料、税金、登記費用、住宅ローン関連費用、その他の実費に分けられます。
すべての売主に同じ費用がかかるわけではありません。
住宅ローンが残っているか、売却益が出るか、測量や解体が必要かなどによって、負担する金額は変わります。
費用は物件や売却条件によって変わるため、早めに概算を出しておくことが大切です。
| 費用の種類 | 主な内容 | 発生しやすいタイミング |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 不動産会社へ支払う報酬 | 売買契約後、決済時など |
| 税金 | 印紙税、譲渡所得税、住民税など | 契約時、売却後の申告時 |
| 登記費用 | 抵当権抹消登記など | 決済・引き渡し時 |
| ローン関連費用 | 一括返済手数料など | ローン完済時 |
| その他費用 | 測量、解体、引っ越し、書類取得など | 必要に応じて発生 |
売却前に手取り額の概算を出しておくと安心です
手取り額は、売却価格から必要な費用や住宅ローン残債を差し引いて考えます。
住み替えを予定している場合は、次の住まいの購入資金や引っ越し費用にも関係します。
査定額を見た段階で、手取り額の目安まで確認すると資金計画が立てやすくなります。
手取り額の考え方は、「売却価格 − 売却費用 − 住宅ローン残債」です。実際には税金や精算金も含めて確認しましょう。
- 売却予定価格を確認する
- 仲介手数料の概算を計算する
- 住宅ローン残債を確認する
- 登記費用やローン手数料を確認する
- 譲渡所得が出るか確認する
- 引っ越しや測量などの実費を見込む
査定額だけで判断しないことが、不動産売却で大切な考え方です。
数字を整理しておくと、値下げ交渉を受けたときも慌てずに検討できます。
費用がかかるタイミングも知っておきましょう
売却費用は、すべて同じ日に支払うわけではありません。
売買契約時に印紙代が必要になり、決済時に仲介手数料や登記関連費用を支払う流れが一般的です。
譲渡所得に関する税金は、売却した翌年の確定申告で確認することが多いです。
いつ、どの費用が必要になるかを把握しておくと、現金の準備もしやすくなります。
| タイミング | 発生しやすい費用 |
|---|---|
| 売買契約時 | 印紙税、仲介手数料の一部など |
| 決済・引き渡し時 | 仲介手数料の残額、登記費用、ローン返済関連費用 |
| 売却後 | 譲渡所得税、住民税、確定申告関連の確認 |
| 必要に応じて | 測量費、解体費、ハウスクリーニング費、引っ越し費用 |
費用の支払い時期を事前に確認しておくと、売却後の資金不足を防ぎやすくなります。
仲介手数料・登記費用・ローン関連費用を具体的に見ていきましょう
ここからは、不動産売却で多くの方に関係しやすい費用を詳しく見ていきます。
特に仲介手数料は金額が大きくなりやすいため、計算方法を知っておくと安心です。

仲介手数料は不動産会社へ支払う成功報酬です
仲介手数料は、不動産会社に買主を探してもらい、売買契約が成立したときに支払う報酬です。
売買契約が成立しなければ、原則として仲介手数料は発生しません。
仲介手数料には法律で上限があり、売買価格が400万円を超える場合は「売買価格×3%+6万円」に消費税を加えた金額が上限の目安です。
仲介手数料は売却費用の中でも大きくなりやすい項目なので、早めに確認しておきましょう。
| 売買価格 | 仲介手数料の上限計算 |
|---|---|
| 200万円以下の部分 | 売買価格×5%+消費税 |
| 200万円超400万円以下の部分 | 売買価格×4%+消費税 |
| 400万円超の部分 | 売買価格×3%+消費税 |
| 400万円超の速算式 | 売買価格×3%+6万円+消費税 |
たとえば3,000万円で売却した場合、上限の目安は「3,000万円×3%+6万円」に消費税を加えた金額です。
実際の支払い時期は、売買契約時に半分、決済時に残り半分とするケースもあります。
会社によって扱いが異なることがあるため、媒介契約を結ぶ前に確認すると安心です。
登記費用は抵当権抹消などで発生します
住宅ローンを組んで購入した不動産には、金融機関の抵当権が設定されていることがあります。
売却時には、売却代金などでローンを完済し、抵当権を抹消して買主へ引き渡す流れが一般的です。
抵当権抹消登記には登録免許税がかかり、司法書士へ依頼する場合は報酬も必要です。
住宅ローンが残っている人は、登記費用も見込んでおくと資金計画が立てやすいです。
- 抵当権抹消登記の登録免許税
- 司法書士報酬
- 登記簿上の住所変更が必要な場合の費用
- 書類取得にかかる実費
登録免許税は比較的小さな金額になることが多いですが、司法書士報酬を含めると数万円程度を見込むケースがあります。
物件数や手続き内容で変わるため、決済前に見積もりを確認しましょう。
住宅ローンの一括返済では手数料がかかることがあります
売却時に住宅ローンが残っている場合は、売却代金などを使ってローンを一括返済するのが一般的です。
このとき、金融機関によっては繰上返済手数料や事務手数料が発生することがあります。
金額は金融機関や返済方法によって異なります。
ネット手続きと窓口手続きで手数料が変わることもあるため、早めに確認しておきましょう。
マンションでは管理費や修繕積立金の精算も確認します
マンションを売却する場合、管理費や修繕積立金を日割りで精算することがあります。
固定資産税や都市計画税も、引き渡し日を基準に売主と買主で精算するのが一般的です。
これらは大きな出費というより、売買代金の精算項目として扱われることが多いです。
決済日に受け取る金額や支払う金額へ影響するため、事前に明細を確認しましょう。
- 管理費の精算
- 修繕積立金の精算
- 固定資産税の精算
- 都市計画税の精算
- 駐車場や駐輪場使用料の精算
精算方法は地域の慣習や契約内容によって変わることがあります。
不動産会社から提示される決済明細を確認し、わからない項目は事前に質問しましょう。

税金は印紙税と譲渡所得に関する税金を確認しましょう
不動産売却で関係しやすい税金には、売買契約書にかかる印紙税と、売却益にかかる譲渡所得税などがあります。
税金は物件の取得費や所有期間、居住用かどうかによって扱いが変わります。
税金は個別事情で大きく変わるため、早めに確認することが大切です。

印紙税は売買契約書に貼る印紙代です
不動産の売買契約書には、契約金額に応じた印紙を貼る必要があります。
印紙税は売買契約時に発生するため、契約前にいくら必要か確認しておきましょう。
印紙税には軽減措置が適用される時期もあるため、実際の金額は契約時点の制度で確認する必要があります。
売買契約書の金額によって印紙税が変わる点を押さえておくとよいです。
| 契約金額の例 | 印紙税の確認ポイント |
|---|---|
| 500万円超1,000万円以下 | 契約書の金額区分を確認 |
| 1,000万円超5,000万円以下 | 一般的な住宅売却で該当しやすい区分 |
| 5,000万円超1億円以下 | 高額物件で確認したい区分 |
印紙税の具体額は、契約書を作成する時点の最新制度で確認しましょう。不動産会社に契約前の見積もりを聞いておくと安心です。
譲渡所得税と住民税は売却益が出たときに関係します
不動産を売って利益が出た場合、その利益は譲渡所得として扱われます。
譲渡所得は、単純に売却価格だけで判断するのではなく、取得費や譲渡費用を差し引いて計算します。
取得費には購入代金や購入時の諸費用などが関係し、譲渡費用には仲介手数料などが含まれることがあります。
売却益があるかどうかを確認するには、購入時の資料が大切になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 収入金額 | 不動産の売却価格など |
| 取得費 | 購入代金、購入時の諸費用など |
| 譲渡費用 | 仲介手数料、測量費など売却に必要な費用 |
| 譲渡所得 | 収入金額から取得費と譲渡費用を差し引いた金額 |
譲渡所得が出ない場合は、譲渡所得税がかからないこともあります。
ただし、特例を使う場合や損失がある場合など、確定申告が関係するケースもあります。
所有期間によって税率の考え方が変わります
不動産の譲渡所得にかかる税率は、所有期間によって区分されます。
売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるかどうかにより、長期譲渡所得と短期譲渡所得に分かれます。
一般的には、長期譲渡所得のほうが税率面で負担が抑えられる仕組みです。
売却した日ではなく、売却した年の1月1日時点で判断する点に注意しましょう。
マイホーム売却では特例を使える場合があります
自宅として住んでいた家を売る場合、一定の要件を満たすと特例を利用できることがあります。
代表的なものとして、居住用財産を売却したときの特別控除などがあります。
特例を使えるかどうかは、住んでいた状況、売却先、過去の特例利用、申告内容などによって変わります。
特例が使えるかどうかで税負担が変わる可能性があるため、早めの確認がおすすめです。
- 自宅として住んでいた不動産か
- 売却先が特例の条件に合うか
- 過去に同じような特例を使っていないか
- 所有期間や居住期間の条件を満たすか
- 確定申告に必要な書類を準備できるか
税制は変更されることがあります。実際に使える特例や申告方法は、税務署や税理士へ確認すると安心です。
その他にかかる費用と費用を抑えるための考え方
不動産売却では、仲介手数料や税金以外にも、物件の状況によって費用が発生することがあります。
必要な費用を見落とさないように、売却前に不動産会社へ確認しておきましょう。

測量費は土地や戸建ての売却で必要になることがあります
土地や戸建てを売る場合、境界があいまいだと測量が必要になることがあります。
買主が安心して購入するためにも、土地の面積や隣地との境界を確認する作業は大切です。
特に古い土地や相続した土地では、境界標が見つからないこともあります。
測量が必要かどうかは早めに確認すると、売却スケジュールを立てやすくなります。
- 境界標が見当たらない
- 古くから所有している土地
- 隣地との境界確認が必要
- 土地を分けて売却する予定がある
- 買主から測量を求められた
測量費は土地の広さ、形状、隣地の数、地域などによって変わります。
売却前に見積もりを取り、契約条件にどう反映するか相談しましょう。
解体費や残置物撤去費が必要になるケースもあります
古家付き土地として売る場合、建物を残して売るか、解体して更地で売るかを検討することがあります。
解体すると買主が利用しやすくなる場合がありますが、売主に解体費がかかります。
一方で、建物を残したまま売るほうが費用を抑えやすいこともあります。
解体するかどうかは、費用と売却価格のバランスで考えることが大切です。
ハウスクリーニングや修繕費は必要性を見極めましょう
売却前に室内をきれいにしておくと、内覧時の印象がよくなります。
ただし、大がかりなリフォームをすれば必ず高く売れるとは限りません。
費用をかける前に、不動産会社へ「どこまで整えると販売に効果がありそうか」を相談しましょう。
費用をかける場所と、かけなくてよい場所を分けることが大切です。
| 対応 | 考え方 |
|---|---|
| ハウスクリーニング | 水まわりや床の印象改善に役立つことがある |
| 小さな修繕 | ドアや設備の不具合などを整える目的 |
| 大規模リフォーム | 費用回収できるか慎重に検討 |
| ホームステージング | 空室の見せ方を整えたい場合に検討 |
購入希望者がリフォーム前提で探している場合は、売主側で手を加えすぎないほうがよいこともあります。
販売戦略に合わせて判断するのが現実的です。
引っ越し費用や仮住まい費用も忘れずに見込みます
住み替えをする場合は、売却そのものの費用だけでなく、引っ越し費用や仮住まい費用も考える必要があります。
新居の引き渡し時期と、売却する家の引き渡し時期がずれると、一時的な住まいが必要になる場合があります。
売却費用と生活費を分けて考えると、資金計画が整理しやすいです。
- 引っ越し代
- 仮住まいの家賃
- 敷金や礼金
- 家具や家電の処分費
- 新居の初期費用
- 住所変更や各種手続きの実費
住み替えでは、売却価格だけでなく「売った後の暮らしに必要なお金」まで含めて考えると安心です。
費用を抑えるには見積もりと必要性の確認が大切です
不動産売却の費用を抑えるには、必要な費用と不要な費用を分けることが大切です。
仲介手数料や税金のようにルールがある費用もあれば、修繕や解体のように判断が必要な費用もあります。
まずは不動産会社に費用の見積もりを出してもらい、手取り額を確認しましょう。
費用を抑えるコツは、安さだけでなく効果を見て判断することです。
- 複数社に査定と費用見積もりを依頼する
- 仲介手数料の支払い時期を確認する
- 修繕や解体の必要性を相談する
- 税金の特例を確認する
- 手取り額を計算してから価格交渉に対応する
費用を減らすことだけに集中すると、売却価格や売れやすさに影響する場合があります。全体のバランスを見て判断しましょう。
不動産売却費用は一覧で確認しながら進めましょう
不動産売却では、仲介手数料、印紙税、譲渡所得に関する税金、登記費用、ローン関連費用などがかかります。
さらに、測量費、解体費、クリーニング費、引っ越し費用などが必要になるケースもあります。
すべての費用が必ず発生するわけではありませんが、早めに確認しておくと資金計画が立てやすくなります。
不動産売却は売却価格ではなく、最終的な手取り額で考えることが大切です。
査定を受けたら、売却価格の目安だけでなく、費用を差し引いた概算手取り額も確認しましょう。
費用の全体像を知っておくことが、納得しやすい売却判断につながります。
税金や登記の扱いは個別事情で変わります。必要に応じて、不動産会社、司法書士、税理士などに確認しながら進めると安心です。

